心理プロジェクトでは、これまでの蓄積された研究を基盤に、心理学からみた「アミューズメント」を研究対象として、認知に関わる心理学の諸現象のコンテンツ作成とそのアーカイブ化を行っています。さらにそこから発生する理論を通じて、どのような環境において動物や人間が行動としての「楽しみ」を認識するのかという心理学的メカニズムやその表現技法を明らかにすることを目的としています。

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2009年度 RARC心理プロジェクト 第10回公開講演会


日本における心理学の受容と発展


講演者:大山 正 (元東京大学・日本大学教授)
司会  :辻 敬一郎(名古屋大学名誉教授)


日時:2009年9月19日(土)15:00〜17:00
場所:立教大学池袋キャンパス 12号館3・4会議室
     ※今回は池袋キャンパスで行います。

概要

  我が国における心理学の受容と発展を明治維新(1868)から第2次大戦終了時(1945)までたどる。明治8年出版の西周訳の「心理学」はMental Philosophyの訳でPsychologyでない。本格的な心理学の導入は米国でHallに学んだ元良勇次郎による1888年の東大での精神物理学の開講に始まる。彼は単なる西欧の学問の紹介にとどまらず、独自の基礎と応用の研究を行った。1903年に東大に日本最初の心理学研究室が設立され、1910年には「実験心理写真帳」が出版される。元良に学んだ松本亦太郎は米国留学後、1906年に京大に第2の心理学研究室を設立し、大正2年(1913)から東大教授。彼は精神動作学を提唱し、客観的な動作研究と応用を重視し、昭和2年(1927)に日本心理学会を設立した。1912年に原口鶴子が初の女性心理学PhDとなる。大正から昭和にかけて多くの大学で心理学研究室が設立される。大正末期より知能検査、精神分析学、ゲシュタルト心理学、行動主義が導入され、第2次大戦後のアメリカ心理学の大波を消化できる地盤ができていた。



2009年度 RARC心理プロジェクト 第9回公開講演会


視覚現象へのまなざし:W. Metzgerを中心に


講演者:上村保子 (千葉大学名誉教授)



日時:2009年7月18日(土)15:00〜17:00
場所:立教大学新座キャンパス 6号館8階会議室

概要

  Wolfgang Metzger (1899-1979)の歿後30年、その著書Gesetze des Sehensは、いまなお古典的名著としての評価が高い。その初版(1936)の英訳がL. Spillmannにより2006年に至って出版されたことは、同書に関心を持ち、かつ第2版(1953)の和訳(1968)を知る者を驚かせた。
  日常の環境で視覚現象を観察し、そこで得た新しい発見を実験室で検討し、自己の理論の検証と修正を行うという基本を実感することのできる同書は、第3版まで刊行されたが、一貫して視覚現象に対する変わらない姿勢がうかがわれるとともに、厖大な第3版ではKanizsa, Gibson他の研究にも話題を広げている。近年の初版英訳を機に、彼の「視覚世界の構造(第3版序での表現)」にふれてみたい。



動画像系列の知覚体制化に関する実験心理学的研究

講演者
鈴木清重 (立教大学現代心理学部/RARC)

ディスカッサント
志津野知文 (東京国際大学名誉教授/哲学研究会)

企画
長田佳久 (現代心理学部,RARC心理プロジェクト代表)


日時:2009年3月28日(土)16:00〜18:00
会場:立教大学 新座キャンパス 6号館 8階会議室

主催
立教大学アミューズメント・リサーチセンター(RARC)
「心理アミューズメントの技法とコンテンツに関する研究」
(プロジェクト代表者:現代心理学部教授 長田佳久)

共催
哲学研究会(主宰:東京国際大学名誉教授 志津野知文)

講演要旨:
 講演者はこれまで、立教大学アミューズメント・リサーチセンター(RARC)で映像表現の技法とコンテンツに関する研究を行ってきた。本講演では、映像表現の事例と実験映像を用いた供覧を行い、これまでの研究概要を紹介する。特に、事象の体制化という新しい概念を紹介し、動画像系列の知覚体制化という新しい理論の枠組を考察する。一般に、連続提示された動画像の系列は質的に異なる幾つかの事象に分節化する。例えば複数の映画ショットが連続提示された場合、観察者は時系列上に提示された幾つかの「できごと」を認識できる。この現象は、動画像配列に基づく時系列上に「かたち」としての事象が継起する知覚的群化として理解できる。複数の動画像が一連のできごととして知覚されるとき、当該の動画像間は主観的に連続する。一方、複数の動画像がそれぞれ異なる複数のできごととして知覚されるとき、できごとの境界で動画像間は分凝する。動画像間の連続と分凝は、動画像系列に知覚される事象の基盤であり、事象が本質的に備える時間性のひとつと考えられる。後半の討論では、時間の表現と認識を射程に入れた知覚理論の構築とその意義について、基礎研究と応用研究の関係性という視点で考察したい。映像作品の研究で扱われてきた芸術作品の「おもしろさ」や「感動」に関する種々の体験を、事象の体制化という新しい概念を基盤に知覚心理学の研究対象とできる可能性がある。また、アミューズメントに関する種々の研究は、新しい理論の枠組みを要請してきたと考えられる。


事前申し込み不要です。無料でどなたでも自由にご参加いただけます。

お問い合わせ先:rarc_psy@rikkyo.ac.jp

表情認知における不変項の抽出について ―FACSを用いた研究から―

講演者
鈴木公洋 (太成学院大学 人間学部 専任講師)

企画・司会:長田佳久 (現代心理学部,RARC心理プロジェクト代表)

日時:2009年1月31日(土)14:00〜16:00
会場:立教大学 新座キャンパス 6号館 8階会議室

FACS(Facial Action Coding System)とは、顔面筋肉の解剖学的知見を基礎として、顔の可視的な動きを44個の動きの単位(AU: Action Unit)に細分化し、無表情からの表情の変化を、強度も含め、記述する測定具である。本講演では、表情認知における不変項の抽出についてFACSを用いた研究から考察する。

Living Lens

soundscape salon(講演+デモンストレーション、途中入退室自由・飲食可)
時間:11月3日 12:00〜13:30
場所:7号館3階アカデミックホール

レクチャー:
田畑哲稔(RARC心理プロジェクト研究者、映像作家)
渡邊淳司(科学技術振興機構さきがけ、インターフェース工学者)
Maria Adriana Verdaasdonk(Queensland Univ. of Technology、パフォーマ)

指定討論者:
長田佳久(現代心理学部教授/RARC心理プロジェクト代表)

オーガナイザ:
鈴木清重(現代心理学部助教/RARC心理プロジェクト研究者)
    

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